内容紹介

目の覚めるような青い海と瑞々しい緑をたたえる「奄美・琉球」の島々。九州から台湾にかけて弧を描くように浮かぶこの一帯は、無数の固有種・希少種の生息地。その生態系や生物多様性の高さは世界的にも珍しく、2018年の世界自然遺産登録が注目されています。今号はそんな「奄美・琉球」を緊急特集。世界自然遺産登録の候補地である奄美大島、徳之島、やんばる、西表島を中心に、その魅力と現在の姿を探ります。

取材陣は、島の文化・自然の最深部へ。奄美大島では島内全域が踊りや唄で賑わう「夏正月」の季節に人びとの「ハレ」の姿を見つめ、加計呂麻島では近代的なものが"何もない"ゆえに満たされる日常風景を追いました。徳之島では400年以上つづく伝統行事「闘牛」に沸く島の熱気を切り取ります。さらに南へ下って沖縄本島・やんばるでは、亜熱帯の森で生きるふたつの家族の肖像を写し、また東洋のガラパゴス・西表島では小さな植物博士と最奥の滝を目指して探検へ！南洋の日差しを浴びながら島々を駆け抜けました。

第2特集「生物多様性をめぐる冒険」では4つの地域の"生物多様性"に着目。地形、生物相、種、遺伝子......奄美・琉球の自然のサイクルや生物を図やイラストでやわらかく解説します。他にも島々の不可思議カルチャーだけを集めた「マジカル・ミステリーツアー in 奄美&琉球」やイラストマップ、歴史年表、ごちそう図鑑など、奄美・琉球の文化や歴史を徹底網羅！島人が教えてくれた"地元のおすすめ"をまとめた「奄美・琉球トラベルガイド」付きの豪華特集です。

一歩踏み込めばやさしく迎え入れてくれる大自然とそこに根付いた島文化。海に囲まれた"島"だからこそときに個々に、ときに影響し合って育まれたそれらは、強烈な存在感で訪れる人びとを魅了します。原始の余韻が残る日本の南洋へ、まだ知らない緑溢れる生命の森へ。