地下資源に恵まれ、美しい原生の熱帯雨林が残るブルネイ・ダルサラーム。税金がない?世界一裕福な国王が暮らす?そんな情報も飛び交うけれど、はたして実態は......。ここでは、そんなブルネイ・ダルサラームの基礎情報とおすすめスポットを紹介いたします。
*本記事は、『TRANSIT 63号 インドネシア、マレーシア、シンガポール 熱狂アジアの秘境へ』の記事の一部を抜粋しています。
text=TAKAMASA KUJIRAI
thanks=EMBASSY OF BRUNEI DARUSSALAM IN TOKYO
\基礎知識を学ぼう/
Q.どこにあるの?
A.ボルネオ島の北部にあります!
南シナ海に面していて、手つかずの自然溢れる緑豊かな国、ブルネイ・ダルサラーム。首都バンダル・スリ・ブガワンからボルネオ島の最大都市コタキナバル(マレーシア)までは、空路でわずか40分と隣国マレーシアへの日帰り観光も可能。日本からはロイヤルブルネイ航空の直行便が成田空港から週4本就航していて、アクセスもよい(2024年2月時点)。
Q.大きさは?
©Brunei tourism
A.5765km²
国土面積は三重県と同じくらいで、東京都の2.6倍程度。世界の国々のなかでも34番目に小さい。また、国土の約72%は森林に覆われていて、保護区域に指定されている場所も多く、残りの僅かな土地で人びとが暮らしている。
Q.人口は?
©Brunei tourism
A.約44.5万人
2002年に約34万人、2012年には約40万人と年々増加。平均年齢は30歳と若い国だが、人口増加とともに高齢者人口も増えている。人口のうち、マレー系が73.5%、中国系は9.5%、他が17%という多民族国家だ。
Q.宗教は?
©Darussalam Services
A.イスラームが国教です。
国民の82.1%がムスリムでスンニ派が多くを占める。金曜日はイスラームの休息日で、金曜日と日曜日が休日になる。ムスリムの子どもたちは通常の学校だけでなく、午後は宗教学校に通い、アラビア語やイスラームの道徳などを学ぶ。仏教(6.3%)やキリスト教(6.7%)など他宗教に対しては、教会の新設や布教活動などは禁止されているが、クリスマスは休日であるなど比較的、寛容な姿勢。
#公共の場で飲酒・喫煙は観光客もNG
酒・タバコ類は、国内では販売禁止。持ち込みは可能だが、量の制限があったり課税対象となっていたり、人前での飲酒、喫煙は禁じられている。
#一夫多妻制であっても現実的には至難の業
ムスリムの男性は4人まで妻をもてる。妻子ごとに別の住居を構えることが多く、夫は各家庭に対して平等でなくてはならないという決まりがある。
#刑罰にもイスラーム法が適応されている?
2014年、東南アジアの国で初めてシャリア刑法(イスラーム法)を導入。非ムスリムでも適用される規定があり、公共の場での飲酒禁止などがこれにあたる。
\旅のおすすめスポット/
⚫︎カンポン・アイール
「東洋のベニス」と呼ばれ、1970年代には6万人も暮らした水上集落。現在は9000人が暮らしていて、宿や食堂もあるので旅行客が訪れても楽しめる。首都を流れるブルネイ川沿いにあり、水上タクシーでアクセスできる。
©Brunei tourism
⚫︎The Empire Hotel
もとは国の迎賓館として使用されていた由緒正しきホテル。ボーリング場や映画館、ゴルフ場が併設されている。意外と安く、4万円程度から宿泊可能。「7つ星」と呼ばれているが、由来は不明で自称はしていない。
©Brunei tourism
⚫︎モスクめぐり
前国王が建立した「スルタン・オマール・アリ・サイフディン・モスク」(写真上)と、現ボルキア国王が建てた「ジャミ・アスル・ハサナル・ボルキア・モスク」(写真下)は必見。金箔で覆われたドームなど豪華絢爛な装飾がみられる。
スルタン・オマール・アリ・サイフディ ン・モスク ©Brunei tourism
ジャミ・アスル・ハサナル・ボルキア・モスク ©Brunei tourism
TRANSIT本誌では、ここで紹介したブルネイ・ダルサラームの他にも、インドネシア・マレーシア・シンガポールのアウトラインを知ることができる「What's」シリーズなど、3国のエネルギッシュさを感じることのできる企画が満載です。
ぜひチェックしてみてください!