ニュージーランド・オークランドの
〈ecostore〉旗艦店を訪問!
現地と日本の人気商品は違う?

日本でも人気のニュージーランド発デイリーケアブルアンド〈エコストア(ecostore)〉。オークランドにある旗艦店を訪れ、そのサステナブルなものづくりの精神や、プロダクトへのこだわり、ニュージーランド人の環境意識のことなど、さまざまな話を聞きました。

photography=NONOKA COMURO
text=TRANSIT



豊かな自然を擁する環境先進国ニュージーランド。サステイナビリティやオーガニックを大切にしたブランドが数多く誕生し、すでに当たり前に人びとの生活に根付いています。なかでもデイリーケアブランドのパイオニア的存在といえば〈エコストア(ecostore)〉ではないでしょうか。

エコストアは1993年にニュージーランドの北島北部のノースランド地方で誕生し、国内に広がりました。日本には2016年に上陸し、世界2番目となる旗艦店が〈アトレ恵比寿〉にオープン。現在はさまざまなセレクトショップやバラエティショップなどででも販売されています。

今回はオークランドにある旗艦店を訪れて、ニュージーランドの環境意識や製品のことについて、広報担当のアリスさんに話を聞きました。

20240314_01.jpg

エコストアといえば、すべての製品において自然由来の素材や成分を使用し、有害・不必要な化学物質を徹底して排除したものづくりが特徴です。環境や人への安全性に徹底的にこだわっています。

その自然由来の成分のなかには、ニュージーランドの先住民であるマオリの伝説などにも出てくる国花コファイ(kowhai)や、保湿力が高くマオリの生活にもよく用いられてきた植物ハラケケ(harakeke)、コンブの仲間の海藻ケルプ(kelp)など、ニュージーランドならではの素材も用いられています。ニュージーランドを感じながら、楽しんで使用できる商品ばかりです。

「肌に使用するものは食べるものと同じくらい重要です。すべてオークランドの自社工場で開発・製造しています」とアリスさん。

20240314_02.jpg

店内の大きな棚には、洗練されたシンプルなラベルが施された白いボトルがたくさん並んでいます。ほとんどの商品が日本でも購入できますが、ハンドソープならグリーンティーの香りなど、ニュージーランドにしかない商品も一部あるそうです。商品の売れ筋について、ニュージーランドと日本で違いはあるのでしょうか。

「ニュージーランドでは無香料や香りが少ないものが好まれる傾向にあります。日本は優しい柔軟剤のような香りが人気ですね。また、石鹸はニュージーランドでは固形を使う人が多いと思います。自分で泡立てている方が、汚れが落ちている感じがするのでしょうね。でも日本は泡状のポンプ式の方が売れていますよ」

20240314_03.jpg

「そして、ニュージーランドで今売れているものといえば、シャンプーバー。液体シャンプーは水や界面活性剤で作られているものが多いのに対して、シャンプーバーは必要な成分がギュッと詰まっています。石鹸ぐらいの大きさだとショートヘアで3カ月はもちますよ。パッケージも紙なので、プラスチックフリーで環境にも優しい。国内ではさまざまなシャンプーバーが発売されていますが、エコストアが売上No.1なんです」

まだまだ液体シャンプー派が多い日本とちがい、ニュージーランドではすでに固形が市民権を得ているようです。

20240314_04.jpg

ゴミになってしまうプラスチック容器を削減するために量り売りをしているのも、エコストアの大きな特徴の一つ。ディッシュウォッシュリキッドやランドリーリキッドなどを、通常のボトル入り商品よりもお得に購入できます。〈アトレ恵比寿〉店など日本のショップと同様に、オークランド旗艦店にもレジ横のスペースにリフィルステーションがあり、取材中にも空のボトルを持った地元の人びとが店を訪れてきました。

グラスクリーナーやバスルームクリーナーなどの住宅用洗剤も、ボトルを買い直さずにリフィル可能な商品。これらはガラスの小瓶に入った濃縮液が販売されているので、自宅で水と合わせて混ぜ合わせるだけ。不要なゴミを出さず、プラスチックフリーなところがポイントです。

20240314_05.jpg

「ちなみに、エコストアはプラスチックボトル自体にもこだわっています。ニュージーランド国内で回収されたリサイクルプラスチックとサトウキビの混合素材を使用してできた、100%再生可能なものです。成長過程でCO2を吸収するサトウキビをリサイクルプラスチックと混合することで、各製品の炭素フットプリント(CarbonFootprint)を削減できます」

使い終わったボトルはお店で回収。そして、ここからまた新たな商品に生まれ変わっていきます。

店内にはエコストアの商品のほか、エコストアと同じフィロソフィーをもったブランドの商品などが並びます。ニュージーランドの日常的なサステナビリティ精神に触れられながら、ショッピングが楽しめます。

20240314_06.jpg

こうした環境に優しいものづくりがニュージーランドの人びとの共感を得たからこそ、エコストアは国を代表するサステナブルブランドへと成長しました。では、ニュージーランドの人びとの環境意識はどうやって育まれているのでしょうか。

「ニュージーランドでは、地球のこと、鳥や木の種類といった動植物のことをしっかり小学生の頃から学びます。国の歴史が短いから、その分自然のことを多く勉強できているのかもしれませんね(笑)。

自然はそのまま、ありのまま、未来に受け継いでいかなくてはいけません。何を選択するかは人それぞれですが、"どうせやっても変わらない"と思うのではなく、"自分がどうしたいか"が大切。"自分がやるからこそ意味がある"と思った方が楽しいですよね」

20240314_07.jpg

生活の中の無理のない範囲で、ニュージーランドの環境意識を見習っていきたいものです。日常に一つエコストアのアイテムを取り入れることも、環境に優しい生活に一歩近づくかもしれません。

20240314_08.jpg
店を案内してくれた広報のアリスさん(左)と、ショップスタッフのジェニーさん(右)。

INFORMATION

ecostore オークランド旗艦店

住所:1 Scotland St, Freemans Bay, Auckland
HP:ecostore.com/nz(ニュージーランド公式サイト)
   ecostore.jp(日本公式サイト)
20240314_09.jpg