1968年6月1日は、ヘレン・ケラーの命日です。アメリカ合衆国アラバマ州で誕生し、一歳半のときの高熱と、それに伴う髄膜炎によって視力と聴力を失いました。
©︎U.S. Embassy New Delhi
盲ろうを患って以降、家族にも手が負えないほどわがままに育ったヘレン。しかし、家庭教師としてやってきたアニー・サリヴァンとの出会いによって彼女の人生が一変します。
ヘレンはのちに、サリヴァンとの出会いを「私の魂の誕生した日」と語っています。サリヴァンは暴れん坊のヘレンに厳しい態度で接し、言葉という概念を教え込みました。
©︎Family member of Thaxter P. Spencer
流れ出る井戸水をヘレンの手で受け止めさせながら、もう片方の手のひらに"W-A-T-E-R"となぞり書く。ヘレンが初めて"WATER"という語彙を理解し、言葉への興味をもつきっかけとなったこのエピソードはあまりにも有名です。
ヘレンはその日からサリヴァンと二人三脚で勉強を進め、24歳で成績優秀者としてラドクリフ大学(現ハーバード大学)を卒業しました。そして残りの生涯を通し、障がい者の教育と福祉の発展に尽力したのです。
©︎Jimmy Emerson
彼女の生家は現在、「アイビー・グリーン」という記念館として公開されています。彼女の部屋や使っていた家具はそのまま保管され、点字タイプライターや点字書籍も見ることができます。
そして、母家の裏にはあのエピソードの井戸も。「アイビー・グリーン」には日本人が訪れることは少なくないそう。美しい緑の中で、ヘレン・ケラーの魂の誕生に思いを馳せましょう。
©︎Jimmy Emerson