ドイツ、フランス、イタリア......
パン好きの聖地へ!
ヨーロッパの郷土パン10選

中東で誕生し、時代とともに各地へ伝搬、世界の食文化を席巻したパン。自然が育み、歴史と文化により変遷を遂げ、いまやほとんどの国で食されている。世界にはいったいどれだけ多様なパンがあるのか、地域別にご紹介。

text=TRANSIT

*本記事は、『TRANSIT 65号 世界をパンをめぐる冒険 創世編』の記事の一部を抜粋しています。



ヨーロッパの郷土パン


ドイツ、フランス、イタリアといったパン文化のスーパースターが集うヨーロッパは、パン好きにとってまさに聖地だ。北欧の黒パンから南欧のブリオッシュやオリーブオイルパンまで、バラエティ豊かな味覚は飽きることがない。大航海時代以降、世界へ進出した経緯から、パン文化の主要な輸出地である。ヨーロッパの影響を受けていないパンは、いまや世界でほとんど見られないといってもいいほど。

1. ルグブロイス(Rúgbrauð)/アイスランド 🇮🇸

魚料理に添えられ、バターをつけて食べるライ麦パン。間欠泉の側に埋め、地熱を利用して蒸し焼きにすることも。 0917_01_europebread.jpg
© The blanz


2. コテージローフ(Cottage Loaf)/イングランド 🏴󠁧󠁢󠁥󠁮󠁧󠁿

2つの丸いパンを重ねたような形が特徴。皮はカリカリ、中身はふんわりで、バターやジャムをつけて食べるのが一般的。 0917_02_europebread.jpg
© SilkTork


3. オントバイトクック(Ontbijtkoek)/オランダ 🇳🇱

「朝食のケーキ」という名のライ麦パン。特徴的な風味の秘密は、シナモン、ナツメグ、ジンジャーなどのスパイス。 0917_03_europebread.jpg
© SKopp


4. パ・デ・パジェス(Pa de Pagès)/スペイン 🇪🇸

主にスペインのカタルーニャ地方で食べられているパン。皮が分厚いため、中の生地がきめ細かいまま長持ちする。 0917_04_europebread.jpg
© Mgclape


5. ベーグル(Bagel)/ポーランド 🇵🇱

ユダヤの文化のなかで生まれた、歴史あるパン。生地を焼く前に一度茹でることで、歯応えのあるずっしりとした食感に。 0917_05_europebread.jpg
© kompasstudio


6. コブリッジ(Covrigi)/ルーマニア 🇷🇴

ケシの実やゴマ、あるいは塩をまぶした塩パン。プレッツェルに似たこのパンは、ブザウ市のものがとくに有名。 0917_06_europebread.jpg
© Sameera Madhusanka


7. フティーラ(Ftira)/マルタ 🇲🇹

外側はカリカリで、内側はもっちりとした食感が特徴。サンドウィッチやピザなどさまざまな食べ方で愛されている。 0917_07_europebread.jpg
© Chattacha


8. ピタ(Pita)/ギリシア 🇬🇷

ギリシアのピタはポケットがない平たい形。焼いた肉や野菜などをのせて食べるサンドウィッチが人気。 0917_08_europebread.jpg
© Calvin Neonardi


9. キフリ(Kifli)/ハンガリー 🇭🇺

東ヨーロッパで広く食べられているが、ハンガリー語が「三日月」を意味しクロワッサンの原型と考えられている。 0917_09_europebread.jpg
© Hu Totya


10. パスカ(Paska)/ウクライナ 🇺🇦

牛乳とサワークリームを使った甘いパン。キリスト教文化に由来し、イースターが近づくと街のスーパーでも焼かれる。 0917_10_europebread.jpg
© AMartiniouk




TRANSIT最新号『世界のパンをめぐる冒険』は、世界各地のさまざまなパンに出会える一冊です。パン文化の歴史や、パンと信仰のかかわりなど、文明の発展ともにあるパンを知ることができます!ぜひ本誌をお手に取ってみてください。

Recommend

See Also

TOLO_Chile_1.jpg

個性的なパンの数々!〈TOLO PAN TOKYO〉と巡る中南米パ...

0917_00_uzhaan_bread.jpg

意外にもパンの宝庫!U-zhaanが語る東西南北インドのパン 5選

世界のパンをめぐる冒険へ9月12日(木)発売最新号の中身をチラ見せ...

T65_event_00.jpg

パン特集発売イベント9/11(水)! ゲストに小倉ヒラク&高橋ヨー...