by TRANSIT
福島編
世界を旅してきたトラベルカルチャー誌「TRANSIT」とクリエイターが、
オールラウンドSUV「MINI Crossover」に乗り込んで、東京・三重・福島へ旅に出た。
初めて目にする景色や一緒に旅する人の視点を通して、“予想外なひらめき”が訪れる車の旅。
合わせて、それぞれの旅を体験できるキャンペーンを実施中。
記事に登場する「MINI Crossoverのオーナー体験」と「1泊2日のホテル宿泊券」をセットにしてプレゼント!
あなただけの"UNEXPECTED JOURNEY"を体験してください。
応募は下記のリンクから、2021年11月3日(水)21:00まで。
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佐藤健寿 × 上田優紀
佐藤健寿Kenji Sato
写真家。世界各地の奇界を対象に、博物学、美学的観点から撮影している。写真集『奇界遺産』『奇界遺産2』は、各方面から絶賛されベストセラーに。テレビ、ラジオ、雑誌などへの出演も多数。過去の写真を収録した写真集『世界』が2021年12月に発売。
上田優紀Yuki Ueda
写真家。24歳のときにバックパッカーとして世界一周の旅へ。帰国後は株式会社アマナに入社。2016年からフリーランスとなり、おもにヒマラヤを中心に世界中の極地、僻地を旅しながら撮影している。2021年には念願のエベレストに登頂。
「すでに写真家2人というこのシチュエーションが予想外でしたよね」
UNEXPECTED(予想外)という今回の旅のテーマを聞いて、ハンドルを握る佐藤健寿さんが苦笑いする。たしかに、と白い歯を見せるのは上田優紀さん。佐藤さんは、みずから作った造語である「奇界」をテーマに、通常の旅行者があまり行くことのない、世界各地の“奇妙なもの”を撮影して回っている。写真集や著書も多く、テレビやラジオへの出演もしばしば。一方の上田さんはバックパッカーとして世界45カ国を回った経験をもち、ここ数年はヒマラヤに通い、高所での撮影を続けている。日本人としては2021年唯一のエベレスト登頂者にもなった人物だ。
たしかに、佐藤さんが指摘する通り、写真家同士の組み合わせはなかなかない。そして2人の言葉を借りれば「ちょっと気恥ずかしい」らしい。行く場所が僻地だったりするため、独りで撮影旅に向かうことが多い彼らにとってはなおさらだ。そんな今回の福島旅を支える相棒は「MINI Crossover Cooper D ALL4」。福島を舞台に気ままに車を走らせる撮影の旅だ。
最初にふらりと車を寄せたのは〈猪苗代湖〉。天鏡湖という別名の通り、水の透明度がたかく、鏡のように輝く湖面が望めるはずだったのだが、この日はあいにくの強風。北の磐梯山もガスの向こうに隠れている。
「こういう行き当たりばったりの旅って普段はしないですよね。特に佐藤さんは、日本で情報が出ていない場所に行くことも多いでしょうし、事前の調べ物とかすごいんじゃないですか?」 カメラを出しながら、上田さんが言う。「ですね。撮りたい絵をある程度考えて行程を組むから、こんなガスった日に湖を撮りに来ることもない(笑)。それを言ったら上田さんもでしょう?」「僕は体のほうもですかね。事前にトレーニングをかなりします。標高6000mを体感できる低酸素室で、その状況下でも三脚立をたてて撮影する余力があるか試したりしました」
猪苗代湖周辺では不整地での走りも楽しんだ。ディーゼルエンジンによる力強い走りと、ずっしりしつつ緻密なステアリングで、どんな道でもドライバーの意思に機敏に対応してくれる。四輪駆動による優れた悪路走破性は、湖畔の砂地でも問題なし。より深く撮影場所まで入り込むためにもおおいに役立ってくれそうだ。
今回が初対面の2人だが、写真、そして旅という共通項があるから、思った以上に話は弾む。ともに世界中を旅しているから、同じ場所を訪れたことも多い。「行ってる場所もかぶってはいるけど、同じヒマラヤでも、僕は雪男探し、上田さんはエベレストですもんね」「見ているポイントが違うんでしょうね。だからこそ、僕としては、佐藤さんにお会いしてみたかったんです。自分にはなかった新しい目線を得るヒントがいただけるんじゃないかと思って。それこそUNEXPECTEDな視点を」
時刻はちょうどお昼時。猪苗代湖のすぐそばにある〈ドライブイン湖柳〉へと「MINI Crossover」を入れる。2人が迷いなく選んだのはド直球の喜多方ラーメンだ。「よく、旅先で食べた一番変わったものはなんですか? という質問されませんか?」「されます、されます。でもその質問って困りますよね」「基本的に食で冒険なんてしないですよね。体調を崩したら撮影に支障をきたすから、できるだけ食べ慣れてるものにしたい。僕は海外でもまっさきに日本食店を探すタイプです。」「そうなんですよ。僕が行くヒマラヤなんかは、高度も高いし、当たっちゃったら登ることもできませんから、かなり気を遣います」
そんな会話をしながら、昔ながらのラーメンを美味しそうに啜る。 写真を撮ることが目的だから、旅先ではトラブルにつながる予想外は必要ないのだ。
さらに車を走らせ、〈せんべや〉で名物の揚げ饅頭も手に入れた。途中の休憩でさっそく饅頭をほおばる上田さん。「そうやってると、ほんと普通の若者ですよね」「たまに冒険家なんて言われたりすることもあるんですけど、とんでもない。僕は撮影するために登っているだけで、前人未踏の挑戦などをするスキルはありませんから」そう謙遜しながら2つめの饅頭に手を伸ばす姿は、たしかにエベレスト登頂とは結びつかない意外性のあるほっこり感だ。
猪苗代湖方面から、気持ちの良いワインディングロードを駆け抜けて、以前から、佐藤さんが気になっていたという〈浄土平〉へ。吾妻連峰の東部にあたるこのエリアは、度重なる火山活動によって、日本離れした荒涼とした風景が広がる場所だ。ビジターセンターから少し登ると、吾妻小富士の直径約500mの噴火口が一望できる。
「予想より、良いですね」
佐藤さんがポツリと呟く。 「撮影旅で、佐藤さんは予想外のことってどう捉えていますか?」
「撮影の妨げになるような予想外はまったく必要ないですね。たまにあるんですよ。現地でトラブルが起きたりとか。でも、プラスになる予想外を自分から探しに行くことはあります。たとえば現地のホテルにチェックインした後、街をぶらぶら歩いているときに、偶然絵になる光景と出合えたりすると、それだけで来て良かったと思える」
「僕は自然相手だから予想外の連続です。厳しいことも多いですが、信じられないほど美しい瞬間を見せてくれることもあります」
「それこそ、自然相手は偶然性にすごく左右されるんじゃないですか?」
「むしろそればっかりですね。エベレストではのんびり天候待ちなんて絶対にできないですから」
ときおりシャッターを切りながら、噴火口の周辺をまわる2人。佐藤さんは、多くの観光客がスマホを向ける噴火口とは別方向、福島盆地のほうにもカメラを向けている。みると綺麗な雲海が。独自の眼差しで、訪れる土地の風景を切り取ってきたのだ。
砂漠を思わせる風景の中を「MINI Crossover」が走り抜けて行く。〈磐梯吾妻スカイライン〉は、約29kmにおよぶ山岳道路。紅葉の名所としても有名な場所だが、浄土平周辺は、火山活動の影響によって砂漠のような光景が広がるのだ。ほかにも美しい山並みや深い渓谷、奇岩など写真家にとっては、撮りどころばかりの美味しい場所。道は良い具合のワインディングロードになっていて、ドライブ目当てで来る人も多い。
4輪の駆動配分をカーブによって変化させる「MINI Crossover」にとっても性能の見せどころ。撮影場所を見つけては「あ、さっきのとこ良さそうでしたね」と、転回場所で戻るときも、コンパクトなボディサイズと取り回しの良いこの車だとストレスが少ない。
「撮影って一瞬の勝負ですからね。光なんてあっという間に変わってしまう。だから素早く移動できるこの車、撮影の旅で頼りになりますね」
ハンドルを握る佐藤さんも、楽しげな様子でワインディングロードを走らせる。
旅の宿泊先は〈HOTELLI aalto〉。山岳ロッジをリノベーションしたという建物は周りの自然にうまく溶け込み、まさに自然の中の隠れ家という雰囲気だ。
今回の旅を通じて、お互いの共通点がだいぶ見えてきたようで、無垢の木に囲まれたホテルのロビーで写真談義に花を咲かせる。
「もし、エベレストを登っている途中でカメラにメモリーカードが入ってないことに気付いたらどうしますか?」
佐藤さんが、ちょっといたずらっぽい表情で訊ねる。
「戻りますね」
即答する上田さん。
「撮れないなら行かない、は僕も同じですね。じゃあ、ヘリコプターでビューっと行けるとしたら?」
「行きません」
「ヘリで行ったほうが機材もたくさん持っていけて、もしかしたらより良い写真が撮れるとしても?」
「それでも、ですね。登る途中などの過程も含めて自分の作品だと思っています。それがあってこそ完成する感じと言ったらいいのかもしれませんが。だからヘリでビューっと行って撮れるとしても、それは僕の作品ではないです」
「だから自分の体で行くんですね」
ホテルの落ち着いた雰囲気がそうさせるのか、静かで熱い写真談義はこのあと深夜まで続くこととなる。
リアシートを倒せば、最大1390リッターという大容量のラゲッジスペースを確保できる。2人が持ってきた撮影機材をすべて入れても、まだまだ荷物を積む余地が残る。キャンプなどアウトドアアクティビティのときにもうれしい要素だ。
「この辺のはずなんですけどねえ」
ナビを見ながら上田さんが首を傾げる。2人が探しているのは〈大山祇神社〉。1888年の磐梯山の噴火によって、ひとつの集落が湖底に沈んだ。高台にあった大山祇神社の鳥居だけが、いまなお地上に残るという知る人ぞ知る場所なのだ。
「ありました!」
車を下りて歩いて探していた上田さんが、森の中を指差す。その先にはささやかすぎる看板があった。
「いわゆる観光スポットじゃないところに行くことが多いので、入口がわからないというのはよくありますが、ここもなかなかですね」
そう言いながら、佐藤さんも後に続く。森を抜けるとそこには古めかしい社殿と、鳥居、そしてかつての参道を匂わせる、半分水没した木の根たちが並んでいた。
「この先に集落がまるまる沈んでいるみたいです」
立て看板を読んだ上田さんが湖を指して言う。 「正直、期待していなかったんですけど、ここは予想を超えてきましたね」
佐藤さんは、いまなお湖底に沈む集落、そしてかつての参道を撮る。人の営みと自然の驚異。奇界を求める佐藤さんの琴線にも触れたようだ。
「ここじゃないんだよな」
上田さんがカメラを下ろす。目の前では観光客が〈五色沼〉に向かってスマホを構えている。観光地にあるいわゆる撮影ポイント。“ここで撮れ”的なお立ち台。
「レンズは200mmですか、意外ですね。山とか自然を撮る上田さんは、もっと広いレンズを使うのかと思っていました」
「最近、増えてきましたね。よく人の視界は50mmレンズくらいだと言われますが、本当なのかな、と思うようになってきて。グッとフォーカスしたときの視界って200mmくらいあるような気もするんですよ。自分の目線を投影したい気持ちが強いので、見たままをどうやったら撮れるかを試行錯誤しています」
他者と違う目線を得ることのひとつの方法として、深く入り込む、というのがある。だとすれば、2人の旅のスタイルに、「MINI Crossover」の高い走破性能は相性が良いのかもしれない。
桧原湖の湖畔に車を寄せ、夕陽を撮影する2人。旅も終わりを迎えたいま「こういう旅もたまには悪くないですね」と上田さんが言う。
「でも僕らにとっては、たまに、でいいのかもしれませんね」という佐藤さんの言葉に上田さんも頷く。
彼らにとって、旅は撮るための手段であって目的ではない。
今回のような行き当たりばったりの旅は、けっして普段のスタイルではなかったはずだ。ただ、いつものシビアな撮影旅では味わえないリラックスした雰囲気で撮った2人の写真も、それぞれの感性によって切り取られた作品だった。
そして2人は、再び予想外(UNEXPECTED)の許されない、いつもの旅へと戻っていく。
浄土平
「浄土平」という不思議な名前が気になっていて、いつか来てみたいと思っていましたが、まさに異世界的な場所でした。ただ火山のクレーターや硫黄が噴き上がる様子は浄土というより、地獄的です。なぜ浄土平というのだろうと常々思っていましたが、いざ火山の淵に立って街の方を見てみると、雲海が美しい浄土的な光景が広がっていて、なぜそう呼ばれるのかわかった気がします。
五色沼
磐梯山の噴火によってできた五色沼。水中に含まれる物質や気候などによってその色を変えるという。絵の具をそのまま流し込んだような鮮やかな色につい足が止まった。どうしてこんなにも青色は僕の心を惹きつけるのだろう。
Photo_Mina Soma
Text_Takashi Sakurai
Edit_Kanami Fukuda(TRANSIT)
*感染症対策に留意しながら、撮影時のみマスクを外して取材を行いました。
MINI×TRANSITがお送りした福島編「MY UNEXPECTED JOURNEY」の福島の自然を駆けるロングドライブ旅はいかがでしたか?この機会に福島旅のキャンペーンに当選すると、「MINI Crossover」の1泊2日の試乗と、裏磐梯の自然に佇む、山荘をリユースし北欧家具を配した〈HOTELLI aalto〉の宿泊が体験できます。ぜひMINIに乗って、福島の新たな魅力に触れてみてください。応募期間は2021年11月3日(水)21:00まで。
キャンペーン応募はこちら
山の中腹にひっそりと佇む隠れ家的宿。敷地内には美しい沼もあり、そこを散策する小径も整備されている。福島の地の物をふんだんに使った料理や、目の前に絶景が広がる源泉かけ流しの温泉など、身も心も癒してくれる極上の宿。本館のほかに一棟貸しの「ロッジ アアルト」もある。
福島県耶麻郡北塩原村大字檜原字大府平1073-153
Tel.0241-23-5100
https://hotelliaalto.com/
街乗りにも、ハードな悪路にも。あらゆる状況に対応するSUV。ディーゼルエンジンの力強い走りにくわえて、路面状況にあわせて駆動配分を自動的に調整してくれるので、ストレスフリーで行き先へと導いてくれる。ベース・サポートを使用すればルーフ・ボックスやスキー & スノーボード・ホルダーなどを装着できるルーフ・レールや、大容量のラゲッジ・スペースなど、アウトドアアクティビティを楽しみたい人に嬉しい要素も詰まっている。
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MINI CROSSOVER MY UNEXPECTED JOURNEY by TRANSIT
Vol.03 FUKUSHIMA KENJI SATO × YUKI UEDA