私のイタリア原風景
by 写真家・在本彌生さん
映画『イル ポスティーノ』の舞台へ

歴史の表舞台に登場する古代遺跡や世界遺産もいいけれど、数度目なら各地の村や町を巡って人びとの素顔に触れてみたい。現地ゆかりのクリエイターを指南役に迎え、それぞれの記憶に残るイタリアの風景を聞いた。
一人目は写真家の在本彌生さん。

text= TRANSIT



映画、食、絶景、祈り。イタリアらしさが際立つ3選。



プロチダ島を最初に一人で訪れたのは、映画『イル ポスティーノ』がきっかけ。それ以来、身近な人を連れて何度も足を運んでいます。贔屓にしている宿があり、部屋のバルコニーから見える夜の景色や、テラスでの素朴な朝食もお気に入り。また、静けさが宿る港町の日常や、イタリアの小さな町のクリスマスを体験できる冬の時期もいいですね。

伝統的なマグロ漁「マッタンツァ」で知られるファヴィニァーナ島もおすすめ。カーラ・ロッサという入江が強烈に美しく、あの光景は今でも目に焼きついています。

また、フィレンツェ郊外のガルッツォにあるチェルトーザ修道院では、修道僧たちのストイックな信仰心に触れました。コルビュジエもデザインの参考にしたという修道院は建築としても特徴的。暮らしのヒントがあるかもしれません。


Procida/プロチダ島

ピンクやブルーなどパステルカラーの家が並ぶコッリチェッラ地区は島の代表的な景観。
Access | ナポリから高速船で約35分。
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©︎Yayoi Arimoto


Favignana/ファヴィニァーナ島

シチリア島から船で40分ほど。カジキマグロのローストなど豊富な海の幸も堪能できる。
Access | パレルモからトラーパニ港までバスで約1時間30分、トラーパニ港からファヴィニァーナ島まで船で約40分。
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©︎Yayoi Arimoto


Galluzzo/ガルッツォ

オリーブ畑の丘に囲まれたチェ ルトーザ修道院は、かつての修道士の暮らしが垣間見える。
Access | フィレンツェ中心部からバスで約30分。
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©︎Yayoi Arimoto

PROFILE
在本彌生(ありもと・やよい)●元アリタリア航空CA。あるとき乗客の勧めで写真と出合い、就航先の国やその周辺を中心に、さまざまな被写体を撮りはじめる。個展をきっかけに本格的に活動を開始し、2006年写真家として独立。現在も世界中を飛び回っている。

TRANSIT最新号『いつだってイタリアが好き!』では、他のクリエイターの方々のゆかりの地もたくさん掲載しています。本誌もぜひチェックしてみてください!




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