毎年メキシコでは10/31〜11/2の3日間で「死者の日」が行われます。
死者の日は、家族や友人と共に故人を偲び、故人との思い出や生きることの喜びを分かち合うメキシコの伝統的な習慣で、日本のお盆の日のようなもの。メキシコでは、このときに現世に帰ってくる故人を明るく迎えるため、お墓にマリーゴールドの花を供えて、個人が好きだったものを飾り、夜は蝋燭を灯し、場所によっては街の人びとも奇抜な衣装やメイクを施したり、パレードやパーティーを行います。
そんな死者の日に因んだ、装いと、日本の工芸と、写真の展示『Day of the Dead』が、10月20日(金)〜10月29日(日)に表参道のハウス@ミキリハッシンで行われます。
展示の制作者は、ファッションディレクターの
山口壮大さん、スタイリスト
小山田孝司さん、つまみ細工の職人・
藤井彩野さん、そしてメキシコ号も撮影してくれた写真家の
村松正博さん。
村松さんは、今年6月に発売されたメキシコ号で、メキシコ料理の美味しさの秘密について、写真と文章で紹介していただいた写真家でもあります。
土着の神道や大陸から伝来された仏教、そして16世紀に流入したキリスト教に影響を受け、さまざまな神への信仰と死生観をもつようになった日本。そして「死者の日」に過剰な装飾儀礼を通じて死者との交流を試みるメキシコ。
どちらも生と死を身近に感じながら生きている一方で、死者に対する儀礼の解釈や表現方法に大きな違いがあります。
今回の展示『Day of the Dead』では、そんなメキシコと日本の国の共通するもの、相違するものに着目した展示です。「つまみ細工」の職人である藤井彩野さんによって、メキシコで盛んなカラベラマスク(頭蓋骨を模したマスク)を制作。「つまみ細工」とは約200年ほど前からつづく日本の伝統工芸で、小さな布を折り込んでその断片を集積させることによって、櫛やかんざしを彩ってきた装飾技法です。牛や鳥や人のカラベラマスクが、つまみ細工の意匠を得ることで、時が凝縮されたような立体感が備わり、新たな生を感じさせます。そんな日本とメキシコの生命をまとったマスクを、メキシコの「死者の日」に現地におとずれて、その土地の人にかぶってもらい、山口壮大さんと小山田孝司さんがスタイリング、村松正博さんが撮影をした写真が『Day of the Dead』で展示されます。
日本とメキシコが誘う、もうひとつの次元の「死者の日」を体感しに、ぜひ表参道に足を運んでみてください。
INFORMATION
『Day of the Dead』
日時|2023年10月20日(金)〜10月29日(日)
平日 15:00〜20:00
土日祝 12:00〜20:00
休み|水曜
会場|ハウス@ミキリハッシン
https://mikirihassin.co.jp/
住所|東京都渋谷区神宮前5-42-1
入場料|無料
制作者|Direction 山口壮大、Styling 小山田孝司、Photo 村松正博、Mask 藤井彩野