#Creator's Trip by 斎城弓也
進化するバンコクのカフェ&バーを探索
in タイ・バンコク

Story - 2024.03.09
音楽好きであり、ライフワークとして旅をつづけるフォトグラファーの斎城弓也さん。タイのサステナブルな音楽フェス「Wonderfruit」を訪れた帰りに立ち寄ったバンコク。冬とはいえ、日中は35℃の夏日。給水のために立ち寄ったタイの最新カフェ&バーの話をしてくれた。

photography & text = YUMIYA SAIKI

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#Creator's Trip by 斎城弓也/サステナブルを考える音楽フェス 「Wonderfruit」in タイ・パタヤ



熱帯バンコクのオアシス、カフェ&バー

今回の旅の目的である音楽フェスティバル「Wonderfruit」の後、タイの東海岸パタヤからバンコクに戻り、その疲れを癒やす意味でも少しのんびりと数日間街を散策した。バイクやトゥクトゥクでガヤガヤしていた10年前のイメージはどこへいったのか。道は整備が進み、街は完全に車社会へと変貌していた。バンコクの今を知るべく街を練り歩くも、12月とはいえ、日中は35℃。とにかく暑い。暑さ凌ぎのため自然と昼間はカフェ、夜はバーに足が向いたのだが、これがおもしろかった。

おもに東バスステーション近くのワッタナー区(駅名でいうとスクンビット、トンロー、エカマイ、ナナ)の辺りから、お洒落な若者が多いバーンラック、シーロム付近やそのチャオプラヤ川沿いを巡った。そのなかで立ち寄ったお店をいくつか紹介したい。



●Ksana matcha
世界的に抹茶の流行を感じるけれど、バンコクでもそれは違わず人気の様子。

京都の宇治抹茶を洗練された空間でいただけるのだが、タイはいつからこんなにお洒落になったのか......。店名の「Ksana」とはサンスクリット語で刹那「1/75秒」という意味で、今この瞬間のこと。抹茶を飲むことを通じてその刹那に想いを馳せるという日本的な美学がお店のコンセプトのようだ。マインドフルネスの体験レッスンなども不定期で行っている様子。

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お店がある建築物もところどころにあるオブジェのデザインもおもしろい。

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●A COFFEE ROASTER by li-bra-ry
ギャラリーや雑貨屋などが集合する「Warehouse30」内のカフェ。倉庫を改装した造りで天井が高く、インダストリアルなデザインの内装がクール。ラテも美味しかったのだが、多くの人が食べていた緑色(おそらく抹茶)のワッフルも気になった。 ギャラリーも楽しみたい場合、月曜日はほとんどやっていないので注意が必要。

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隣接の家具屋さん。近所のネコが入ってきてソファでくつろいでいる。その辺の緩さは今も変わっていない。

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●li-bra-ry at Candide
同じく倉庫改装系のギャラリー・アートスペース「The Jam Factory」内にあるカフェ。先ほどの「Warehouse30」のある側からチャオプラヤ川を渡ったエリア。数年前にできた巨大な商業施設「ICONSIAM」が近くにある中ではあるがかなり落ち着いた空間。アートブックや日本の文学を取り扱う本屋、お洒落なレストランなどがあり喧騒から離れて安らげる。

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●Modern-Day-Culture
フィルム写真やレコードに回帰する動きは、バンコクの若者たちの間でも同じようだ。ここはNanzieeというセレクターによる音楽が楽しめるバー。常連の若者で常に賑わっている様子。「#StrictlyVinyl 」のタグを掲げ、レコードオンリーの店内に足を踏み入れれば、懐かしくも今のバンコクテイストを知ることができる。バンコクはビールに飽きたのか?カクテルを楽しむカルチャーがどう考えても流行っている。

タイでは宇多田ヒカルが大スターなのだとか。僕たちが日本人と知ると、店を出る頃にレコード盤の『First Love』がかかる。Automaticにバンコクの若者たちと繋がれてしまった。名盤!

この後もバンコクカクテルカルチャーを探る夜は続く。

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●Teens of Thailand
ポーンプラープ区、チャイナタウンの付近はバーが密集しているエリアがあったりとかなり探索しがいがある。ここはカクテルのコンペティション「Bangkok Gin Fest」で受賞歴があるジン推しのお店で、個人的に入口のドアや内装のデザインも独特で好きだった。オーセンティックなバーももちろん素敵だが、日本ではなかなか見かけないタイだからこその雰囲気を味わえるこういう場所にも足を運びたい。

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入口のドアが渋い。

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●Opium Bar
チャイナタウンのメインストリートから一本奥に入ったあたりの人気のないエリアにあり、且つ入り口は別店舗のレストラン、そして奥にあるかなり危なげなエレベーターを登らねば辿り着けないというトリッキーなカクテルバー。テラスから見渡す隣接のビル群に人は住んでいるのだろうか、暗く静まり返ったこんなところになぜあるのかと不思議に思うが、秘密の基地を発見したような妙なワクワク感が味わえるので勇気を出して行ってみてほしい。

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事細かなカクテルの説明や名前を見ているだけでも話題は尽きない。

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今回巡ったごく狭いエリア内でもまだまだ気になるお店がたくさんある。アジアの巨大都市バンコクは奥深く、いくらでも遊べてしまう気がするのだが、カクテル一杯の相場が400バーツ(1600円ほど)なのには中々驚いた。。酒好きの人間には少々痛い話なのだが、少しセーブして飲み過ぎない程度のところで帰ろうという気になれるのはある意味いいことなのかもしれない(笑)

パタヤ奥地でのWonderfruitに始まり、途中にラン島に立ち寄り、バンコクにゆっくり滞在、約2週間のタイの旅だった。想像を超えて洒落ていたカフェやバーにも驚かされつつ、今のこの国の熱量を肌で感じ、そのスピード感と勢いを記憶して日本に持ち帰った。次は北のチェンマイの辺りが気になっている。

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PROFILE
斎城弓也(さいき・ゆみや)●フォトグラファー。世界各地を撮影しながら旅をしたのち、都内の撮影スタジオに勤務。その後、TAKAKI_KUMADA氏に師事し独立。今でも時間を見つけては海外に渡り撮影をしている。

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