MORNING PEOPLE with〈Rab〉
氷職人/山本仁一郎
「自分は氷農夫」

朝早く起きた日は気持ちがいい。
実際に"early bird catches the worm"なんてことわざがあるように、朝の時間を有意義に使うと、1日が満ち足りたものになる。
そとからはなかなか見えない、自分だけの時間。
〈Rab〉のウェアとともに朝を頑張る人を訪ね、彼らの思考や、仕事における信念などを聞いた。

photography=TAKESHI MIYAMOTO
text=TRANSIT



▶︎Interview with 山本仁一郎(氷職人)


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PROFILE
山本仁一郎(やまもと・じんいちろう)●日光の天然氷の蔵元〈四代目徳次郎〉5代目当主。〈ザ・リッツ・カールトン日光〉をはじめ、レストランやホテルなど全国に取引先をもつ。氷作りに欠かせない天然水を絶やさぬよう、森や耕作放棄地の整備にも取り組んでいる。


マイナスの世界で育てる"作物"。


「氷作りも土を耕すところから始まるんです。だから自分は氷農夫。」

日光で100年以上つづく氷の蔵元〈四代目徳次郎〉の山本仁一郎さんはニヤリと笑う。

標高2,000m超の名峰が連なり、豊富な天然水に恵まれた日光において、天然氷は脈々と受け継がれてきた文化のひとつだ。しかし、かつて100軒近くあったという蔵元も今や3軒を残すのみ。〈四代目徳次郎〉の前身である〈吉新氷室〉の3代目も、一度は廃業を決意した。そこで名乗りを挙げたのが、仁一郎さんの父・雄一郎さんだった。

「もともと父は観光業をやっていたんですが、ある日取引先だった〈吉新氷室〉が廃業すると聞かされて。日光の食文化を絶やすわけにはいかないと、先代の親方に継がせてくれと頼み込んだんです」

そんな父に仁一郎さんは最初難色を示した。しかし父を手伝うなかで日光の天然氷の歴史を調べたり、氷の製造過程に触れたりするうちに考えが変わっていったという。そして自らも氷職人となり、3年前に父から当代のバトンを受け継いだ。

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日光の紅葉が終わりを迎える頃、氷作りは始まる。氷を張る採氷池の落ち葉を掃除し、土を耕してから水を張り、厳しい冬の訪れを待つのだ。「マイナスの世界で作れるのは氷だけ」と仁一郎さんは胸を張る。

「今年みたいに暖冬でなかなか氷ができないと、どうしてもイライラしてしまうんですよね。でも僕らに氷作りを教えてくれた3代目の親方は『焦ってもできないんだからしゃーねーべ。座ってお茶でも飲めば?』って。自然相手なので、なるようにしかならない。ダメならまた明日やればいいということを教えてもらいましたね」

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氷作りを「究極の水商売」と語る氷農夫の表情は、自然のなかで作物を育てる喜びに満ちていた。



ー肌寒い朝に。〈Rab〉のおすすめアイテムー


山本仁一郎さんが着用したのは「Firewall Light Jacket ¥30,000 + tax」


メインの生地には防風性と通気性を兼ね備えた Pertex®Quantum Airを採用。「気温の低い早朝から始まる氷作りには防寒対策が必須。動きやすさもあり、趣味のトレイルランニングでも重宝しています」と山本さん。

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