TRANSIT63号 東南アジア特集の発売に合わせて、編集部がインドネシア、シンガポール、マレーシア音楽のプレイリスト「フレキシブルマジック」をつくりました。
日本人アーティストも在籍する音楽レーベル「Kitchen.」所属のミュージシャンから日本(香川県)の高等専門学校に留学経験があるバンドそして岩井俊二監督『花とアリス』のサウンドトラック「fish in the pool」のカバーをしたことでも知られるノンバイナリーアーティストまで日本カルチャーからインスパイアされた楽曲を中心にジャンレスで独創的なサウンドが心地良いプレイリストをお楽しみください!
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ここではプレイリストのなかから、おすすめのアーティスト5人を選出。少しだけ解説します。
アサ・トーン(Asa Tone)
from インドネシア
ヤング・マジック(Young Magic)のメラティ・マレー(Melati Malay)とメキシコシティを拠点に活動している才人トリスタン・アープ(Tristan Arp)、そしてニューヨーク、ジャカルタを股にかける音楽プロデューサー、カアジ(Kaazi)からなるプロジェクト。ジャカルタのジャングルに設置した仮設スタジオで10日間に渡り録音したという『TEMPORARY MUSIC』は心地良い音色と独特なリズムが中毒性抜群。
プレシャス・ブルーム(Precious Bloom)
from インドネシア
バリ出身のディア・バランダナ(Dea Barandana)とアディンダ・ドゥウィマダサリ(Adinda Dwimadasari)
による音楽ユニット。ボサノバやディスコミュージックを取り入れたアルバム『Consequences』は、80年代インドネシアのシティポップを再現しており、ノスタルジックでモダンな楽曲に自然と体が揺れてしまう。
ユール(yeule)
from シンガポール
1997年生まれ、シンガポール出身のノンバイナリーなアーティスト、ナット・チミエル(Nat Cmiel)のソロ・プロジェクト。3rd AL『softscares』は、UKブレイク・ビーツのパイオニアとして知られるコールドカット(COLDCUT)がオーナーを務める「Ninja Tune」からリリース。アルバムには岩井俊二監督『花とアリス』のサウンドトラック「fish in the pool」のカバーも収録されており、前作につづき日本カルチャーからの影響が垣間見れる作品となっている。
アスピディストラフライ(Aspidistrafly)
from シンガポール
シンガポールの音楽レーベル「Kitchen.」を主宰するリックス・アン(Ricks Ang)とエイプリル・リー(April Lee)によるユニット。エレクトロ、フォーク、アンビエントに精通する幻想的なサウンドと吐息のような浮遊間漂うエイプリルの儚く艶のある繊細な歌声は神秘的で陶酔してしまうこと間違いなし。『A Little Fable』のレコーディングには、haruaka nakamuraなども参加しており、日本ミュージシャンとの交流も深いアーティスト。
ザ・ヴェノピア・ソリチュード(The Venopian Solitude)
from マレーシア
日本(香川県)の高等専門学校に留学経験があるマレーシア出身のフロントマン高原すいこが率いるこのバンドは、民族音楽、電子音楽を軸に実験的なサウンドを奏でる集団。ジャズやヒップホップに精通したシークエンス担当のKEMATやオーケストラのメンバーとしても活動していたキーボードのADAMなど、メンバーそれぞれが異なるバックグランドをもつことで生まれるジャンレスで柔軟な楽曲は、独創的で一度聴いたら忘れることができないグッドソングばかり。
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