TRANSIT編集部のひとりが約2年ぶりの海外渡航先に選んだのは、ニュージーランド。南北2つの大きな島を中心に構成されたニュージーランドは、治安もよく、時差もたった3時間(サマータイム適用期間外)なので、久しぶりの海外旅行先にもぴったり。訪れたのは、北島・オークランドと南島・クイーンズタウンの2都市。それぞれの魅力を、3つのキーワードをもとに紐解いていく。
→
事前準備編はこちら
→
前編・オークランド編はこちら
大都会・オークランドで豊かな暮らしを垣間見たあとは、南島・クイーンズタウンへ!ミルフォード・サウンドへの旅の起点にもなるこの街では、ニュージーランドの自然をたっぷりと体感することができる。そんなクイーンズタウンを、「ネイチャー・アクティビティ」「コーヒー」「サスティナブル」という3つのキーワードをもとにご紹介。
キーワード①
クイーンズタウン×ネイチャー・アクティビティ
南島には、ニュージーランドの最高峰・アオラキ山(マウント・クック)やミルフォード・サウンドを擁し、豊かでダイナミックな自然が目白押し。
数ある場所のなかで訪れたのは、南島の湖畔にある街・クイーンズタウン。ニュージーランドで三番目に大きい湖・ワカティプ湖の湖畔に位置し、蒼く広がる湖と切り立った山々のコントラストの美しさから、別荘地としても人気の高い街だ。
また、ミルフォード・サウンドを数日かけて歩くロングトレイル「ミルフォード・トラック」にもアクセスしやすく、ネイチャーアクティビティを楽しむにはぴったりの場所だ。
今回は、数あるアクティビティのなかから、ミルフォード・サウンドを眺める遊覧飛行をチョイスすることに。
クイーンズタウン空港のすぐ横にある飛行場を訪れると待っていたのは、遊覧飛行などのアクティビティを数多く手がける
〈Glenorchy Air〉の飛行機。パイロットの方が丁寧に案内・解説してくれると人気のツアーだ。
目的地のミルフォード・サウンドまでは45分ほど。次第に小さくなる街を眺めていると、あっというまに山々の稜線が目に入ってくる。季節が秋〜冬の境目だったため、雪をかぶった姿を見ることもできた。
道中は山間にできた川や湖、遠くにはアオラキ山(マウント・クック)の姿も。
しばらく進んでいくと、氷河も顔を覗かせる。この日は運が良かったのか、ちょうど雲海が広がっており幻想的な雰囲気。今この瞬間も少しずつ動いている氷河のあまりの雄大さに圧倒された。
景色を楽しんでいると、ついに目的地、ミルフォード・サウンドへ到着!
ここで飛行機を一度降り、しばし散策タイムに。ミルフォード・サウンドとは、遠い昔に氷河によって山が削られてできた、崖に囲まれた湖のような場所。周囲の崖には、最大落差1000mにもなる滝がいくつも流れ落ちている。
ミルフォード・サウンドを遊覧船で巡るボートクルーズも人気で、その際は船で滝に近づいて水しぶきを間近に浴びる、なんて体験もできるんだとか。
太古の自然が生み出した風景を存分に堪能し、再び飛行機で市街地へと戻ります。この遊覧飛行は、往復で約2時間ほど。このように短い時間で景色をぎゅぎゅっと楽しむのはもちろん、バスやトレッキングで半日〜数日かけてゆったりとアクセスすることも可能だ。ミルフォード・サウンドではダイビングやシーカヤックなども体験できるので、近くに宿泊して思いっきりアクティビティを満喫するのもいいだろう。
空も、陸も、湖も。バラエティに富んだネイチャー・アクティビティが揃っているこのクイーンズタウンで、ダイナミックな自然を全身で体感してみては?
キーワード②
クイーンズタウン×コーヒー
〈Allpress Espresso〉、〈Coffee Supreme〉......東京にも進出し注目を集めるこれらのコーヒーショップは、実はニュージーランド生まれ。ニュージーランドの人は、とにかくコーヒーが大好き!自分のお気に入りのコーヒーショップがだいたい1軒以上は決まってあるのだそう。
クイーンズタウンを拠点にドライブを楽しんでいると、30分ほど走ったところでグレノーキーという小さな町に遭遇。ガイドの方がおすすめしてくれたカフェで、クイーンズタウンの大人気チョコレートショップ〈Patagonia〉のコーヒーをテイクアウト。ニュージーランドで人気なのは、「フラットホワイト」というミルクがたっぷりのラテメニュー。キュートなラテアートを描いてくれるお店もあり、多くのニュージーランドっ子がこぞってフラットホワイトを頼むのだとか。
そして、カフェでもニュージーランドらしい取り組みが随所に見られる。
たとえば、こちらのグレノーキーのお店ではテイクアウト用のカップを販売。飲み終わったあとに返却すると料金が全額戻ってくる仕組みになっている。
また、レジ横にある「MUG LIBRARY」というコーナーもおもしろい。
なんと、数種類のマグカップが吊り下げられたラックから、好きなマグを選んで飲み物をテイクアウトできるのだ。使ったマグカップは、洗って後日このラックに返却すればOKなのだという。
こういった環境へ配慮した取り組みは、ニュージーランドのカフェではかなりよく見かける光景。
「MUG LIBRARY」は、都心部などは提携しているカフェならば、どこで返却してもOKな場合も。使い勝手もよい。
「コーヒーが大好きで日常的に利用するからこそ、毎日の小さな積み重ねを大切にしているんです」とガイドさんはいう。ニュージーランドのカフェは、人びとの環境とコーヒーへの愛情が垣間見える場所なのだ。
キーワード③
クイーンズタウン×サスティナブル
そして環境に配慮しているのはカフェだけではない。ニュージーランドでは、宿泊施設もサスティナビリティにこだわった場所が当たり前なのだ。
今回は数ある宿のなかから、湖畔にたたずむ
〈Sherwood〉にお邪魔した。
〈Sherwood〉は、もとはモーテルだった建物をリノベーションした宿泊施設。建物自体を再利用しているのはもちろん、内装にもコルクやタイヤをリユースした壁やカーペットが使われているのだという。そんな一つひとつの裏側やこだわりを聞くと、家具やアメニティを使うのも楽しくなってくる。そしてインテリアが素敵なのはもちろん、窓からの眺めも抜群!目の前のワカティブ湖を独り占めしているかのような景色が広がっている。
部屋で一休みしたら、〈Sherwood〉の敷地内を散策することに。少し歩くと見えてきたのが、数十種類の野菜やハーブが植えられた自家農園。レストランで使っている野菜やハーブのほとんどは、ここの畑で取れたものだそうだ。とれたての野菜や果物を使ったレストランの料理は、素材そのもののうまみがぎゅっと詰まっているので、余計な調味料は必要がない。「シンプルなおいしさ」という贅沢を、十分に堪能できるのだ。編集部が朝食にいただいたのは、サーモンとシリアルブレッドのプレート。サーモンはニュージーランドで水揚げされた新鮮なものを使用。農園で実ったシリアルを使用したブレッドは、噛めば噛むほどに穀物の甘味が広がる。
そしてこのホテルの一番の魅力は、地域と密着している「コミュニティホテル」だということ。ライトアートの小さなお祭りをしたり、宿泊者と地元住民が一緒に焚火を囲んだりと、お客さんもローカルの一員としてクイーンズタウンの街を楽しむことができるのだ。誰もが気兼ねなく集まって、交流を生み出すハブのような場所を目指しているという。
宿泊者も地元の人びとと共生し、暮らすように旅をする。「自然環境への配慮のみならず、文化という意味でもサステナブルな場所を作り上げているのです。」オーナーのHayley Scottさんはこう語る。「私のやっていることは大きくはないけれど、小さなことを積み重ねることが大事。できるだけ近い場所で、手の届く範囲で気を配っていければ、そこにサイクルが生まれ、周りの人にもどんどん伝播していくと思います」
3回にわたってフィーチャーした南半球の島国・ニュージーランド。そんなニュージーランドでもっとも人気の観光シーズンは、実は11月〜3月の冬場なのだとか。日本と季節が真逆のニュージーランドは、夏真っ盛り。しかも、ニュージーランドの夏は日本よりも気温が高くなりすぎず、気持ちのよい陽気のなかで散策を楽しむことができる。「年末ぐらいには海外に行けるようになったらいいな」なんて思っているあなたに、ぜひともおすすめしたいディスティネーションだ。
もっと詳しくニュージーランドについて知りたい方や、旅行の計画を立てようかと思い始めた方は、ぜひニュージーランド政府観光局の
Webサイトをのぞいてみてほしい。
実際に訪れたTRANSIT編集メンバーも、「次はもっと長い休みをとってのんびり行きたい」と早くも再訪したい気持ちでいっぱい。ぜひみなさんも、ニュージーランドを訪れて、その魅力を全身で感じてみては?
ニュージーランドの最新インフォメーションや旅行に役立つトピックスなどはニュージーランド政府観光局のHPやSNSをチェック!
<ニュージーランド政府観光局>
HP
https://www.newzealand.com/jp/
Twitter
https://twitter.com/purenzinjapan