サスティナブル&カルチャーを楽しむ
ニュージーランドへの旅
〜オークランド編〜

TRANSIT編集部のひとりが約2年ぶりの海外渡航先に選んだのは、ニュージーランド!
南北2つの大きな島を中心に構成されたニュージーランドは、治安もよく、時差もたった3時間(サマータイム適用期間外)なので、久しぶりの海外旅行先にもぴったり。訪れたのは、北島・オークランドと南島・クイーンズタウンの2都市。それぞれの魅力を、3つのキーワードをもとに紐解いていく。

事前準備編はこちら
後編・クイーンズタウン編はこちら



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まず編集部が訪れたのは、北島にあるオークランド。オークランドは経済の中心地であり、全人口の約1/3が住んでいる、首都ウェリントンに並ぶニュージーランド随一の大都市。ニュージーランドへの旅記録・前編では、そんなオークランドを「ショッピング」「食」「1 Day Trip」3つのキーワードから深掘りしていく。


キーワード①
オークランド×ショッピング


オークランドが環境都市として有名であることをご存知だろうか。2018年にオークランド市は「2040年までにゼロ・ウェイストの街を目指す」という目標を発表。行政が主導して積極的に環境保全に取り組んでいる。その甲斐もあってか、市民たちの環境に対する意識も高い。ショッピングをするなかでも、サスティナブルな取り組みを行うショップやスーパーなどに出合うことができるのだ。

なくなったら、お店に補充しに行く。ニュージーランド式ごみを出さない工夫


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今回、編集部がお邪魔したのは、〈eco store〉。日本にもショップがあるので、見たことがある人も多いのでは。実はこの〈eco store〉もニュージーランド発祥なのだ。
その魅力は、なんといっても植物・ミネラル由来の原料を厳選してつくられた体に優しいプロダクト。そして、再生・リサイクル可能なシュガープラスチックと、ニュージーランド国内で回収されたリサイクルプラスチックの混合素材などを使用し環境に配慮したパッケージを採用していることだ。

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また、〈eco store〉最大の特徴は、中身のなくなったボトルを持っていけば、補充したい分だけ販売してくれること。ニュージーランドでは街中のスーパーでも〈eco store〉の製品を量り売りして購入できる場所があり、このスタイルが根付いているのだという。

そして、量り売りスタイルは洗剤や石鹸だけではない。食べ物だって、必要な分だけを購入すれば無駄なく使えて廃棄せずに済む。オークランドのなかでもとくにおしゃれなショップが集まるポンソンビー・ストリートの一角にある〈Good For〉は米、小麦粉、スパイス、ドライフルーツ、コーヒーからお菓子まで、ありとあらゆるものが量り売りで購入できるショップだ。

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自分の欲しい量だけ計量し、持参したフードコンテナや袋に入れて、重量分だけ代金を支払うスタイル。(※容器は購入も可能)使い道に困って余りがちなスパイスや、ついつい買い&食べ過ぎちゃうおやつも、本当に必要な分だけ購入できるので無駄がない。

ドライバナナやライ麦粉など、普通のスーパーではなかなか見ないようなレアなラインナップも。試しにちょっとだけ......ができるから、いろんな味に挑戦しやすいのもうれしい。

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日本だと量り売りのショップは、利用するハードルも値段も高い印象が強いが、オークランドでは敷居も値段も通常のスーパーと同程度。普段の買い物の選択肢のひとつとして、老若男女がふらりと訪れている姿が印象的だった。



キーワード②
オークランド×食


大都市・オークランドはカルチャーの発信地であり、ニュージーランドのなかでもとくに新しいショップやトレンドが生まれている場所。つまり、食に関しても感度が高く、多彩で独創的な美食が集まっているのだ。

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たとえば、オークランドっ子も注目の最新商業施設・コマーシャルベイにオープンした〈Ahi〉。ニュージーランドの食材にこだわった多国籍レストランだ。素材の味を生かしながら、さまざまな国のエッセンスを取り入れた味わいは、口に運ぶたび新鮮な驚きが生まれる。韓国のヤンニョム(醤油やコチュジャンを合わせた調味料)を取り入れた前菜や、抹茶とミントを合わせたパフェなども。日本で馴染み深い食材がこのように使われるのか、と発見も多い。レストラン内は、同僚や家族、恋人と豊かな時間を過ごす人びとで賑わっていた。

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そしてもう一軒。オークランドのシンボルかつ、南半球でもっとも高い建物・スカイタワーの53階にある〈THE SUGAR CLUB〉も紹介したい。店内に足を踏み入れると広がる、美しいオークランドの眺めは、思わず歓声を上げてしまうほど。ここには、ニュージーランドを代表するシェフ、ピーター・ゴードン氏が監修するレストランとバーがある。

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その料理は、見た目も味も独創的で斬新なものばかり。
前菜としてチョイスした植物性ミルク粥・コンジーは、泡泡な見た目で口当たりもふんわり。奇抜な見た目とは裏腹に、チキンの出汁が効いた優しい味だ。
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メインにはニュージーランドで獲れた魚のポワレを。上に貝が載っていて、淡白でやわらかい食感の魚と、こりっと歯応えのある貝の食感のコントラストが絶妙。クリーミーなソースも相性抜群だ。
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そういえば、魚のメニューは、QRコードが載っていた。読み取ってみると、その魚がどこで、どんな漁法で獲られたかが表示される仕組みになっているのだ。おいしさはもちろん、サスティナビリティに対する配慮も欠かさない。あえて明言せずとも、環境を守ること、美食を創造することの両輪が大切だと考えているお店ばかり。人びとのなかに意識が浸透し、誰もが当たり前に行動しているからこそだな、と納得させられた。

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キーワード③
オークランド×1Day Trip


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オークランドからフェリーで35分ほどの場所にあるワイヘキ島。人口約8000人が暮らし、大きさは約92平方キロメートルと伊豆大島と同じくらいの小さな島だが、オークランドっ子が週末にのんびり過ごす場所として人気が高い。

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そんなワイヘキ島は、ワインの製造が盛ん。多くの個性的なワイナリーを抱え、ニュージーランドのみならず世界の食卓を彩るワインを生産している。
ということで、美食&美酒を堪能しに、ワイヘキ島を巡る1 Day Tripへ出発!

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まず私たちが訪れたのは、ワイナリーの〈ケネディ・ポイント・ヴィンヤード〉。
オーガニック農園で育てられたブドウを使い、赤・白それぞれのワインを製造しているという。

2019年の白ワイン(シャルドネ)をテイスティングをしてみると、ほのかに甘く、きりっとした飲み口でとても飲みやすい。木樽の香りも感じる、豊かな味わいのワインだ。「ニュージーランドのワインといえばソーヴィニヨン・ブランが有名ですが、近年はほかの品種もレベルの高いワインが揃っているんです」とオーナーさんは話す。あまりのおいしさに、私もお土産を大人買い。

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次に向かったのは、ワインに合う料理に欠かせない「オリーブオイル」の農園。〈allpress olive oil Rangihoua Estate〉は、オークランド発祥で東京・清澄白河にも店舗をもつロースタリー&カフェ〈Allpress Espresso〉のオーナーが、コーヒーの次に新しく手掛けている事業なのだという。

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「オイルは収穫した年や種類によって味がまったく変わるんです」と、昨年のもの、今年収穫したもの、それぞれ食べ比べをさせてもらった。パンにつけ、一口放り込むと、衝撃。青々としたほろ苦さがしっかり感じられて、「オリーブは果実なんだ」と実感させられるフレッシュさ。今まで食べていたオリーブオイルとは大きく違うのだ。そのなかでも、ほのかに甘みを感じるもの、爽やかなフレッシュさが際立っているもの......とたしかに年や種類によって違いは歴然。〈Allpress Espresso〉のオーナーが惚れ込むのもうなずけるおいしさだった。

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ほかにも、ウィスキーやビール、ハーブティーなど、ここでは紹介しきれないほどおいしく愉しいフード&ドリンクの数々がたくさん。大切な人と味わいたい逸品をもとめて、ぜひワイヘキ島を訪れてみてはいかがだろうか。

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新しいカルチャーと豊かな自然環境、そのいずれも大切にしているオークランドは、「この街に住みたい」と何度も思うほど居心地のよい街。初めてニュージーランドに渡航する人や旅慣れていない人も過ごしやすいので、ニュージーランドを旅する際はまず訪れたい都市だ。

次の記事では、やはりニュージーランドに行ったら外せない!大自然がいっぱいの南島・クイーンズタウンを楽しむための3つのキーワードをご紹介する。




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<ニュージーランド政府観光局>
HP  https://www.newzealand.com/jp/
Twitter  https://twitter.com/purenzinjapan

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