海の向こうのローカル風土記 vol.7
ニュージーランドのマヌカハニー
by〈OVERSEAS〉
私たちが日常のなかで何気なく口にし、あるいは背伸びして食卓に取り入れる海外の食品たち。 海の向こうでは、唯一無二のおいしさを求めて生産者たちが愛情をそそぎ作っている。
第7回は、ニュージーランドの大自然が生み出す、100%天然マヌカハニーを紹介。
illustration= HITOSHI KUROKI（visiontrack）
ニ ュージーランドの南島中部、ゴシック調の建造物が美しい都市クライストチャーチ。 緑豊かな公園や庭園が多いことから「ガーデンシティ」とも呼ばれる。 港や空港があり南島の経済の中心でありながら、季節ごとの自然のアクティビティも楽しめる。広大なカンタベリー平野を生かした酪農や農業が盛んで、養蜂場も年々増えている。
風邪や花粉症の季節になると店頭で見かける機会が増えるマヌカハニー。ニュージーランド原産のマヌカの木からセイヨウミツバチにより採取されるハチミツで、先住民のマオリが伝統的に使用してきた万能薬としても重宝されてきた食材だ。 一般的なハチミツと異なる点は、その殺菌力と抗炎症作用の高さにある。今日のニュージーランドでもどの家庭にも常備され、風邪や感染症などの予防のために舐めるのが定番。さらにニキビ、傷、火傷に軟膏として塗布したり、歯茎に塗り歯周病や虫歯を予防したりと、幅広い使い道と健康効果を発揮する。
マヌカハニーは採集方法や精製の工程によって その効果の高さや味わいが変わる。そのひとつの指標となっているのが国際的な品質基準「U M F」。 ニュージーランド産マヌカハニーの純度と品質を保証するもので、数値が高いほど抗菌活性力のレベルも上がるのだ。
30年以上前からマヌカハニービジネスを家族で営むマヌカサウスは、ニュージーランド各地の養蜂家と提携することで、さまざまなグレードのUMF認証製品を安定的に生み出すことに成功している。たとえば火山性土壌によりマヌカの木がよく育つ北島では、ヘリコプターでしかアクセスできないような人里離れた深い森でUMFハイグ レードの高級マヌカハニーが調達できる。一方マヌカサウスの拠点、クライストチャーチのある南島では、地元の養蜂家をサポートしながらUMF数値が比較的低く、子どもや初心者でも食べやすい優しい口当たりのマヌカハニーを生産。このような土地ごとの性質を生かした製品づくりがニーズを叶えることにもつながっている。
マヌカサウスのグローバルセールスマネージャーを務めるサム氏の両親が、ニュージーランドの人びとの生活を豊かにしたいという想いで自然健康食品会社を起業したのは1988年のこと。はじめは鹿の角を利用した生薬、鹿茸の販売からスター ト。数年後にニュージーランドの人びとにより身近なハチミツと向き合いたいと、地元の養蜂家と協力してマヌカハニーを取り扱うようになった。 サム氏は幼い頃からクライストチャーチの雄大な自然の中で牧場の鹿や養蜂場のハチと触れ合い、冒険のような楽しい日々を過ごした。「僕の場合、 将来は医者や先生、パイロットになるのではなく、『両親と同じことをしたい』と強く思っていまし た」。2013年にサム氏主導で誕生したマヌカサウスは、家族のこれまでの努力を継承する新世代のブランドとなった。
消費者の健康に直接つながるものだからと、品質へのこだわりが半端ではない。開花時期には養蜂家とともに過ごし、サム氏自ら巣箱のハチミツを手作業で厳選。オーダーごとに熟成度合いが最適なものをピックアップし、ひとつの製品に対して何度も検査を行う。
"Our Family to Yours"。サム氏がよく口にする言葉だ。ニュージーランドの自然とその産物を愛する家族が、製品を通してまた別の家族の健康を願う。そんなメッセージも受け取ってほしい。
今回お話を聞いた人：サム・ヘインズ氏
創設者夫婦の息子でグローバルセールスマネージャー。マヌカサウスのハチミツは一つひとつサム氏によって手作業で選ばれている。大自然と動物に囲まれ育った優しさが笑顔に滲み出る。
第7回は、ニュージーランドの大自然が生み出す、100%天然マヌカハニーを紹介。
illustration= HITOSHI KUROKI（visiontrack）
text= ALICE KAZAMA
ニ ュージーランドの南島中部、ゴシック調の建造物が美しい都市クライストチャーチ。 緑豊かな公園や庭園が多いことから「ガーデンシティ」とも呼ばれる。 港や空港があり南島の経済の中心でありながら、季節ごとの自然のアクティビティも楽しめる。広大なカンタベリー平野を生かした酪農や農業が盛んで、養蜂場も年々増えている。
ミツバチが運ぶスーパーフード。
風邪や花粉症の季節になると店頭で見かける機会が増えるマヌカハニー。ニュージーランド原産のマヌカの木からセイヨウミツバチにより採取されるハチミツで、先住民のマオリが伝統的に使用してきた万能薬としても重宝されてきた食材だ。 一般的なハチミツと異なる点は、その殺菌力と抗炎症作用の高さにある。今日のニュージーランドでもどの家庭にも常備され、風邪や感染症などの予防のために舐めるのが定番。さらにニキビ、傷、火傷に軟膏として塗布したり、歯茎に塗り歯周病や虫歯を予防したりと、幅広い使い道と健康効果を発揮する。
マヌカハニーは採集方法や精製の工程によって その効果の高さや味わいが変わる。そのひとつの指標となっているのが国際的な品質基準「U M F」。 ニュージーランド産マヌカハニーの純度と品質を保証するもので、数値が高いほど抗菌活性力のレベルも上がるのだ。
30年以上前からマヌカハニービジネスを家族で営むマヌカサウスは、ニュージーランド各地の養蜂家と提携することで、さまざまなグレードのUMF認証製品を安定的に生み出すことに成功している。たとえば火山性土壌によりマヌカの木がよく育つ北島では、ヘリコプターでしかアクセスできないような人里離れた深い森でUMFハイグ レードの高級マヌカハニーが調達できる。一方マヌカサウスの拠点、クライストチャーチのある南島では、地元の養蜂家をサポートしながらUMF数値が比較的低く、子どもや初心者でも食べやすい優しい口当たりのマヌカハニーを生産。このような土地ごとの性質を生かした製品づくりがニーズを叶えることにもつながっている。
自然の力で家族を守る。
マヌカサウスのグローバルセールスマネージャーを務めるサム氏の両親が、ニュージーランドの人びとの生活を豊かにしたいという想いで自然健康食品会社を起業したのは1988年のこと。はじめは鹿の角を利用した生薬、鹿茸の販売からスター ト。数年後にニュージーランドの人びとにより身近なハチミツと向き合いたいと、地元の養蜂家と協力してマヌカハニーを取り扱うようになった。 サム氏は幼い頃からクライストチャーチの雄大な自然の中で牧場の鹿や養蜂場のハチと触れ合い、冒険のような楽しい日々を過ごした。「僕の場合、 将来は医者や先生、パイロットになるのではなく、『両親と同じことをしたい』と強く思っていまし た」。2013年にサム氏主導で誕生したマヌカサウスは、家族のこれまでの努力を継承する新世代のブランドとなった。
消費者の健康に直接つながるものだからと、品質へのこだわりが半端ではない。開花時期には養蜂家とともに過ごし、サム氏自ら巣箱のハチミツを手作業で厳選。オーダーごとに熟成度合いが最適なものをピックアップし、ひとつの製品に対して何度も検査を行う。
"Our Family to Yours"。サム氏がよく口にする言葉だ。ニュージーランドの自然とその産物を愛する家族が、製品を通してまた別の家族の健康を願う。そんなメッセージも受け取ってほしい。
今回お話を聞いた人：サム・ヘインズ氏創設者夫婦の息子でグローバルセールスマネージャー。マヌカサウスのハチミツは一つひとつサム氏によって手作業で選ばれている。大自然と動物に囲まれ育った優しさが笑顔に滲み出る。
●THE LOCAL TIPS
喉越し爽やか。マヌカハニーのレモネード
スプーンひとさじを舐めるのがポピュラーだが、砂糖の代わりとして紅茶やコーヒーに混ぜたり、パンに塗ったり、ときにはチキンの照り焼きといった料理に使うことも。サム氏のお気に入りは、手早く作れて、子どもにも大人気の「ハニーレモ ネード」。コップ一杯のお湯に、スプーンひとさじのマヌカハニーと搾りたてのレモン汁を加え、30 秒ほどミキサーで混ぜる。氷を入れたグラスに移し、フレッシュミントを浮かべれば完成。ニュージーランドの初夏の定番ドリンク。
INFORMATION
マヌカハニー UMF5+, 15+, 20+（写真上） マヌカハニードロップ レモン&ハニー（写真下）
純度と品質を保証するUMF認証された天然100%のマヌカハニー。UMF5+は初めて試す人や日常使いに、UMF15+や20+ は不調を感じるときに。マヌカ独特の味わいも深まる。ドロップはUMF15+のハニーを含んだ薬用のど飴。乾燥する季節に。
問い合わせ：オーバーシーズ
0120-522-582
https://overseas-inc.jp/
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