真実を捉えるソ連時代の名作たち
「ジョージア映画祭2024」@ユーロスペース
8月31日(土)~9月27日(金)

8月31日(土)~9月27日(金)、渋谷・ユーロスペースにてジョージア映画史に燦然と輝く名作たちを一挙に公開!今年度のジョージア映画祭も2022年に引き続き、ソ連時代に製作された名作たちが特集されます。

自由、夢、人間 ___
ソ連時代(1921-1991)に製作された映画たちは、政治体制の抑圧下にもかかわらず人間味に溢れ、独創的で映画への愛が込められている。そんな名作の数々はジョージア映画史の中で燦然と輝き、今日の世界においても輝きを帯びて迎えられます。

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AからHまでの8プログラム、全40本のフィルムが公開されます。
今回は、上映作品の中から6作品をピックアップしてご紹介。


『昼は夜より長い』(Aプログラム)
ラナ・ゴゴベリゼ監督/1983年/カラー/105分
戦後のジョージア映画界を牽引してきた、現在95歳の女性監督、ラナ・ゴゴベリゼ監督による作品。20世紀初頭の東ジョージア、秘境トゥシェティの山間の村が主な舞台。旅芸人が狂言回しとなり、主人公エヴァの波乱の生涯が、老いた彼女の回想でジョージアの近代史とともに語られる一大絵巻。
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『奇妙な展覧会』 (Bプログラム)
エルダル・シェンゲラヤ監督/1968年/白黒/93分
ジョージア映画人同盟の代表を長く務めたエルダル・シェンゲラヤ監督は現在91歳。人間への温かな眼差しと権力への批判を込めた傑作の数々を残しています。中でも『奇妙な展覧会』はエルダル独特のユーモアとペーソスが開花した作品。西ジョージアの古都クタイシで、一人の彫刻家が師から受け継いだ大理石を前に傑作を夢見るが、激動する時代に翻弄されてゆく。自らの人生を受容してゆく姿を描いた人間愛に溢れる国民的映画。
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『奇人たち』(Bプログラム)
エルダル・シェンゲラヤ監督/1973年/カラー/79分
ジョージア国民にこよなく愛されるエルダル・シェンゲラヤ監督作品。無一文の青年が、憲兵隊が横暴を振るう奇妙な町で、牢獄に幽閉された老発明家とともに空飛ぶ機械を完成させようとする──自由への願いと全体主義への痛烈なアイロニーが込められた奇想天外な冒険物語。
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『ピロスマニ』(Dプログラム)
ギオルギ・シェンゲラヤ監督/1969年/カラー/86分
1978年日本で公開され、観客の心に画家ピロスマニとジョージアの存在を強く印象づけたギオルギ・シェンゲラヤ監督による作品。ジョージアの過去と現在、そして未来が込められたジョージアに関心のある人は必見。ピロスマニ(1862?-1918)は日々の糧とひきかえに絵を描き続けた。シェンゲラヤ監督は画家の人生と魂を清冽に描き、その姿にジョージアの人と文化、歴史、風土への思いを重ねた。そして映画「ピロスマニ」はイコンのように崇高な輝きを帯びてゆく。
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『ピロスマニのアラベスク』(Eプログラム)◎『マグダナのロバ』併映作品
セルゲイ・パラジャーノフ監督/1985年/カラー/22分/ロシア語
パラジャーノフ監督はトビリシ生まれのアルメニア人。その傑出した才能のために投獄され、長く沈黙を強いられたが、ジョージア映画人の協力で復活を果たす。画家ピロスマニへの敬愛の思いを自らの汎コーカサス的ともいえる目眩く美意識で描く。
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『希望の樹』(Gプログラム)
テンギズ・アブラゼ監督/1976年/カラー/107分/ザジフィルムズ協力
巨匠テンギズ・アブラゼ監督が20年の歳月をかけて完成させたジョージア映画の金字塔、「祈り 三部作」のひとつ。「人の美しい本性が滅びることはない」という信念のもと、人間の迷妄や欲望がもたらす社会の暴力を描き、人間性を虐げるものを告発する。
20世紀初頭の東ジョージアの美しい農村が舞台。時代の大きな変化を予感して村人たちはそれぞれに動揺を隠せない。そのなかで美しい娘と青年の純愛が村の因習のために打ち砕かれてゆく。ギオルギ・レオニゼの短篇集が原作(未知谷刊)。
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2023年12月に発売した『TRANSIT 62号 コーカサスが呼んでいる!』ではソ連崩壊後それぞれ独立をはたし、育んできた文化やアイデンティティへの誇りを胸に、独自に歩みを進める3国ジョージア・アルメニア・アゼルバイジャンの現代社会、カルチャー、旅先としての魅力を伝えています。

また、ジョージア映画祭2024の会場となる渋谷・ユーロスペースでは、TRANSIT62号の販売を予定しています。ジョージアへの理解をさらに深める映画のお供に、ぜひお手にとってご覧ください。


INFORMATION

『ジョージア映画祭2024 自由、夢、人間 ─映画の王国ジョージアから─』


期間|8月31日(土)~9月27日(金)
会場|ユーロスペース (東京都渋谷区円山町1-5 3F
HP|http://www.eurospace.co.jp
入場料金|一般:1700円/リピーター割引:本映画祭の半券提示で1400円(ご本人様のみ有効)/大学・専門学校生:1300円/会員・シニア:1300円/高校生800円(オンラインは900円)/中学生以下500円(オンラインは600円) 
上映スケジュール|https://georgiafilmfes.jp/pdf/flyer_eurospace.pdf
共催|一般社団法人コミュニティシネマセンター
主催|ジョージア映画祭 
企画・制作|はらだたけひで / 企画協力・日本語字幕:児島康宏 / 上映素材制作:大谷和之
協力|ジョージア国立アーカイブ、ジョージア国立フィルムセンター、ジョージア・フィルム、ジョージア映画アカデミー
後援|在日ジョージア大使館


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