癒やしのニュージーランド旅へ vol.2
癒やしのワイへキ島と
ピクトン&カイコウラの海リゾート

ニュージーランドを訪れるなら、どこの都市を選ぶ? 玄関口オークランドのほか、そこから足を延ばして別の街に行っても、楽しい発見が待っています。ここでは、心と体が癒やされる個性豊かな街々で体験したいアクティビティや訪れるべきお店などを紹介していきます。

text=TRANSIT
photography=NONOKA COMURO

→vol.1「クライストチャーチ&ウエリントン街歩き、マールボロ地方のワイナリー巡り」はこちら!


4.カイコウラ/Kaikōura


Access:南島の北東部に位置する小さな港町、カイコウラ。ブレナム空港から車で国道1号線を南下して約2時間。クライストチャーチ空港からは約2時間半北上すると到着する。
20240305_NZ_2.jpg

東海岸に面した人口2300人ほどの小さな港町カイコウラ。約900年前に先住民のマオリがいた土地で、その後やってきたヨーロッパの人びとと上手に混ざり合い、独自の文化が築かれてきた。カイコウラとはマオリ語で「クレイフィッシュを食べる」という意味。その言葉のとおり、名物のクレイフィッシュ(イセエビの一種)を含む新鮮なシーフードが食べられるレストランが多数あって海の恵みが存分に楽しめる。

海の生き物といえば、クジラとも関係が深い。海に突き出したカイコウラ半島の海岸線がつくり出す湾では、1900年代中盤まで捕鯨が盛んに行われてきた。今も近海にたくさんのクジラが生息しており、ホエールウォッチングの名所としても知られている。

n5_041112.jpg

●カイコウラでしたいこと1●

クジラにまつわる場所を訪れる


カイコウラ半島にあるピンク色のかわいらしい建物は、捕鯨と町の歴史を知ることができる博物館〈Fyffe House〉。この建物のユニークなのは、土台がなんとクジラの骨でできているということ。かつて建物の土台用となる木材の入手が困難だったことで、代替品として利用していたそうで、ここが現存する唯一の建物となる。建物から捕鯨時代の人びとの暮らしや、捕鯨の歴史について展示を見て学べる。

ちなみに、カイコウラ半島の海岸を歩いていると、潮の満ち引き次第では亡くなったクジラの骨が見られる場所も! 骨がどれだけ硬くて丈夫か、触って確かめてみよう。

ホエールウォッチングなら、半島の付け根の部分にある〈Whale Watch Kaikoura〉へ。クジラやイルカの遭遇率はかなり高く、万が一見られなかったとしても料金の80%が返金されるというのが良心的◎


●カイコウラでしたいこと2●

山と海の絶景を堪能する


小高い丘を上ったところにある〈Kaikoura Lookout〉は、町の絶景ポイント。淡い青の澄んだ海と、なだらかな弧を描く湾。そしてその後方に聳える1800m級の山々が連なるカイコウラ山脈に、広い空。どこを切り取っても美しく、眺めていると時間を忘れてしまうほど。開放感抜群でとても心地よい時間を過ごせるはず。


●カイコウラでしたいこと3●

〈Hapuku Kitchen〉の料理教室に参加する


〈Hapuku Kitchen〉は、料理家のフィオナとクリス夫妻が自宅キッチンで始めた、プライベート感あふれる料理教室。家の周りではさまざまなハーブ、果物、野菜が無農薬で育てられていて、まずは使用する材料を収穫する"畑ツアー"から始まるのがユニークなところ。新鮮な材料をふんだんに使って、ニュージーランドの人気料理番組『MasterChef』(『料理の鉄人』風の番組)に出演した経験もあるフィオナによるレシピを仕上げていく。出来上がる料理は見た目にも美しく、味はもちろん申し分なし。

キッチンとリビング、ダイニングが一体になった広い部屋に設えられているのは、2人のセンスの良さが感じられるインテリアや家具。友人の自宅に来たような特別なニュージーランドの美食を丁寧に味わおう。



●カイコウラでしたいこと4●

クレイフィッシュを味わう


クレイフィッシュの町といえるカイコウラでは、景色の良い海沿いにシーフード料理店が立ち並ぶ。とくにローカルにも旅行者にも人気なのが、カイコウラ半島の先端近くにある〈Kaikoura Seafood BBQ Kiosk〉。キオスクという名の通り小さな屋台のような店で、オーダーすると目の前の鉄板で調理してもらえるスタイル。

クレイフィッシュの大きくてプリプリの身は絶品で、海鮮好きにはたまらない。大きなものもペロリと平らげられるはず。ライスがサイドについてくるのも日本人には嬉しいポイント◎



5.ピクトン/Picton


Access:南島への玄関口であるピクトンは、北島に位置するウエリントンからフェリーに乗って約3時間。または、飛行機でブレナム空港へ飛び、その後車でおよそ25分。
20240305_NZ_4.jpg

ブレナム空港から北に向かったところにある小さな町ピクトン。町の北部には、入り組んだ海外線が1500km連なる「マールボロ・サウンド」といわれるエリアが広がっている。原生林が生い茂り、美しいビーチや海が広がる景勝地で、静かで壮大な手つかずの自然の中に身を置くことができる場所だ。

ピクトンからはクルーズツアーなどが出ていて、船のなかでリラックスしながら風光明媚な景色を楽しめる。北島のウエリントンまであえてフェリー移動を選んでみるのもおすすめ。

20240305_NZ_9.jpg

●ピクトンでしたいこと1●

ラグジュアリーなロッジに泊まる


マールボロ・サウンドの大自然を堪能しながら静かに過ごしたいなら、宿泊してみるのがいい。海岸線沿いにはいくつも宿泊施設があり、なかでもエンデバー入江の入り口のa href="https://www.furneauxlodge.co.nz/" target="_blank" rel="noopener">〈Furneaux Lodge〉は、全客室が独立したコテージの隠れ家的ホテル。コテージの窓の外には水辺が見え、空気も澄んでいて、敷地内では歩く野鳥の姿も見られる。併設のレストランもメニューが豊富でとてもおいしく、スタッフも気さくでサービスもいい◎ 何泊かしたら心も体もかなりリラックスできそう。


●ピクトンでしたいこと 2●

ネイチャーウォークに挑戦する


マールボロ・サウンドには、初心者から上級者様まで楽しめるいくつものトレッキングコースやハイキングコースがある。一つひとつの規模が大きいので、歩いていても人だらけで混み合うということは皆無。静かな環境でじっくり自然と対話することができる。

たとえば取材時に訪れたクィーン・シャーロット・トラックは全長73.5 kmもあるコース。制覇するのに数日かかるので、途中から参加して途中で終えても問題なし。〈Furneaux Lodge〉などルート上に宿泊施設もあるので、そこを拠点にしてみるのもいい。

背の高い木々に覆われたルートは澄んだ空気に満ちていて、ときおりニュージーランド固有種のトゥイという鳥の声が心地よく響き渡る。緑のエネルギーに五感を刺激されながら、テンポよく歩を進め、トレッキングを満喫しよう!



6.ワイヘキ島/Waiheke Island


Access:オークランド空港から車で約30分のフェリーターミナルから、フェリーに乗り約40分で到着。島内は周遊バスが走っているが、レンタカーやタクシーの利用もおすすめ。
20240305_NZ_1.jpg

ニュージーランド随一の大都市オークランドから、わずか40分で到着。高い建物は見当たらず、道路の両脇には草木が生い茂っている。車を走らせると小高い山やいくつものビーチが見えてきて、忙しい大都会とはまるで異なるライフスタイルが構築されているのがわかる。

オークランドからのデイトリップで人気のスポットであり、観光客はもちろんのこと、週末にランチを食べたりしに訪れるローカルも多いそうだ。とても長閑でありながら、優雅でロマンチックな雰囲気も漂う魅力的な島だ。

20240305_NZ_15.jpg

●ワイヘキ島でしたいこと 1●

ワイナリー併設のレストランで食事する


ワイヘキ島もワイン造りが盛んで、世界的に有名なワイナリーが点在している。広大な敷地を有しレストランを併設するワイナリーも多く、ワインにぴったりの洗練された食事を楽しめるのが魅力。

たとえば〈Stonyridge Vineyard〉は、ヘリコプターでセレブリティが訪れることもあるという有名ワイナリー。しっかりワインのことや土地のことについて話を聞きたいなら、日本語が堪能なオーナーが営む気鋭のワイナリー〈Tantalus Estate〉もいい。こちらはビールの醸造もしていて、レストランではワインとビールが楽しめる。そして、ブドウ園とハーバー、オークランドの市街地が一望できる魅力的なロケーションの〈Mudbrick Vineyard & Restaurant〉。結婚式場としても人気で料理の評価も高く、夏場は予約でいっぱいとのこと! タクシーの運転手さんにおすすめを聞くのも楽しい。


●ワイヘキ島でしたいこと 2●

オリーブオイルのテイスティングをする


ワイヘキ島でワインに次いで有名なのはオリーブオイル。〈Allpress Olive Groves〉は島産100%のオリーブオイルを生産・販売していて、品種の異なるオリーブから作られた複数種類の商品を店内でテイスティングすることができる。

深いコクのあるものからライトな味わいのものまで種類豊富。「これはこんな料理に合う」とスタッフのゾーイさんのおすすめを聞きながら、好みのものを選ぼう。ワインに似た奥深い世界にハマってしまいそう......! 小さいサイズもあるので、お土産にもぴったり。



→vol.1「クライストチャーチ&ウエリントン街歩き、マールボロ地方のワイナリー巡り」はこちら!





TRANSIT63号の誌面でもニュージーランドについて紹介しています。ぜひ併せてご覧ください。

Recommend

See Also

mountain_mexico1.jpg

絶景もトレッキングも玄人向けもいつか泊まりたい世界の山宿10選!

transit_os07_top_illust.jpg

海の向こうのローカル風土記 vol.7 ニュージーランドのマヌカハ...

20230214_Aurora_10©︎Keith Williams.jpg

一生に一度は見たい!オーロラ観測地 BEST10北欧、北米、南半球...

ANNUAL.jpeg

ニュージーランドのメリノウール使用〈ANNUAL〉が生み出す上質な...